流産のリスクを避ける看護師の働き方

看護師という仕事の流産の危険性

妊婦さんたちは誰もが、お腹の中の赤ちゃんが無事に生まれてくることを強く望んでいます。しかし、さまざまな理由から、流産してしまうケースがあるのです。自然流産の発生頻度は15パーセントとされており、そのほとんどは、妊娠12週未満に発生する早期流産で、その半数以上は染色体異常によるものが原因とされております。後期流産は、妊娠12週以降22週未満に発生するもので、原因は母体側の異常とされており、妊婦は大きなショックを受けます。 看護師という仕事の流産の危険性

流産の原因

流産の原因として、身体的疲労と精神的ストレスがあげられます。そのため、看護師をしている妊婦は、その仕事柄、心身のストレスと業務上の危険にさらされているといえるでしょう。2010年の看護職員の労働実態調査(2万7545人対象)では、流産が11.2%、切迫流産が34.3%という結果となっています。これは、妊娠した看護師の10人に1人が流産し、3人に1人が切迫流産を経験しているということなのです。これは、一般の事務職と比較した場合、とても異常な数値といえます。また、看護師の流産は増加の傾向にあるのです。

看護師の業務環境

これは、看護業務に潜む多くの危険が原因と考えられます。妊産婦は本来、労働基準法と男女雇用機会均等法によって、夜勤免除や業務軽減の適用が認められています。そのため、違反した雇用側には罰則規定がありますが、本人申請によるものとされているため、妊産婦の3~4割が夜勤の仕事をしているなど母性保護がなされていないのが現状です。看護師自身、その権利を知っていたとしても、慢性的な看護師不足が深刻な現場では、なかなか申出をしにくい雰囲気があるようです。

業務上のリスク

他にも、放射線科で働く看護師は、レントゲン撮影のサポート業務などのため、毎日放射線被爆を受けている状態で、それが赤ちゃんに悪影響ではと不安です。外来や病棟で働く看護師は、麻疹や風疹、結核などさまざまなウィルス感染の危険があり、妊娠初期にこれらのウィルスに感染すると流産や早産の要因になると言われており、感染症にかかりやすい妊婦にとっては、常に感染の危険にさらされていることになります。がん治療に使用される抗がん剤も、その取扱いによっては被爆してしまう危険があり、流産や先天性奇形など、その毒性がもたらす健康上の被害が認められています。
このように、看護師をしている妊婦たちは、常に流産などの危険と隣り合わせで仕事をしているのです。無理をせず、赤ちゃんを最優先に守ることを考えることも大切です。